ヤリイカ

槍の穂のようにスラリとした姿形のイカの群れ・・・ヤリイカの群れだ。身の透明感と相まって上品な美しさが際立つイカだ。しかし、このスマートそうな外見とは裏腹に、ポーカーフェイスではいられないタチ。餌などを見つけて興奮するとついカラダが茶褐色に。

好物は動物プランクトン、小魚、甲殻類など。吸盤のある10本の腕のうち、「触腕」と呼ばれる先端に吸盤が集中した2本の長い腕を使ってエサを捕まえる。イカ類の中では消化吸収にかかる時間が短く、餌を食べる回数が多いという。いわば肉食系の大食い。(でもスリム)

通常は水深100m以上の沖合に棲息し、冬から春の産卵期になると沿岸まで寄ってきて、その時期に多く漁獲される。寿命は短くおよそ1年。春から初夏に生まれた卵が孵化し、夏から秋にかけて小ヤリイカとなり、冬になる頃には大きく成長して産卵後に死んでしまいます。豪快に食べ続け、興奮しては体の色を変化させ、あっという間に寿命を迎える。太くて短い「人生」ならぬ「イカ生(?)」である。

人間にとっては高価な高級魚。あっさりとした中に甘味のある上品な味わいで、身質は柔らかながら張りがあり食感よし。鮨飯との相性も抜群です。太く短く熱い「ヤリイカの一生」に乾杯!